ニゲラは「植えてはいけない」って本当?その理由と、可憐な花を楽しむ育て方
フワフワとしたユニークな葉と、透き通るような繊細な花が魅力的な「ニゲラ」。風にそよぐ姿は可憐で美しく、「黒種草(クロタネソウ)」という和名も持つ、庭や花壇を彩る人気の草花です。
しかし、「ニゲラは植えてはいけない」という話を聞いたことはありませんか?一体なぜ、そんなことが言われるのでしょうか?今回は、ニゲラの隠れた一面と、それでもニゲラを安全に、そして美しく楽しむための育て方、さらにはその花言葉についてもご紹介します。
ニゲラの魅力とは?可憐な姿とユニークな特徴
「植えてはいけない」と言われる前に、まずはニゲラの愛される理由を見てみましょう。
- 繊細で美しい花姿: 青、白、ピンクなど、透き通るような色の花が、糸状のユニークな葉に包まれるように咲きます。その姿は、まるで霧の中に咲く花のようで「霧の恋人(Love-in-a-mist)」という英名も持っています。
- 個性的な実: 花が終わった後にできる、風船のようなユニークな形の実も観賞価値が高く、ドライフラワーとしても人気です。
- 育てやすさ: 種まきからでも育てやすく、初心者でも比較的簡単に育てられます。
ニゲラを「植えてはいけない」と言われる理由2選!
ニゲラが「植えてはいけない」と言われる主な理由は、以下の2つが挙げられます。
1. 非常に強い繁殖力で「こぼれ種」が広がりすぎるから
ニゲラは、花が終わった後にできるたくさんの種子が、地面にこぼれ落ちて翌年自然に発芽する「こぼれ種」で非常に簡単に増えます。一度植えると、庭のあちこちからニゲラが生えてきて、あっという間に増えすぎてしまうことがあります。
これが、意図しない場所にまで広がってしまったり、他の植物の生育を妨げてしまったりするため、「植えてはいけない」と感じる人がいる大きな理由です。管理がしきれなくなると、雑草のように感じられてしまうこともあるかもしれません。
2. 環境によっては「特定外来生物」と誤解されることがあるから(誤解)
ランタナなどのように、外来種の中には日本の生態系に悪影響を及ぼす「特定外来生物」に指定されている植物もあります。ニゲラも外来種であるため、強い繁殖力と相まって、誤解されて「特定外来生物なのでは?」と懸念されることがあります。
しかし、ニゲラは「特定外来生物」には指定されていません。 確かに繁殖力が強く、勝手に増える性質はありますが、法律で栽培や移動が禁止されているわけではありませんのでご安心ください。あくまで「増えすぎる」という点で注意が必要な植物です。
上手に付き合う!ニゲラの育て方と増えすぎない管理のコツ
「増えすぎるのは困るけど、ニゲラの可憐な花を楽しみたい!」という方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください。ちょっとした工夫で、ニゲラを上手にコントロールして楽しむことができます。
1. 鉢植えやプランターで育てる
庭に直接植えるのではなく、鉢やプランターで育てるのが最も簡単な方法です。これなら、種子がこぼれても、容器の中やその周りに限定されるため、不必要な繁殖を防ぐことができます。
2. 花がら摘みや実の収穫をこまめに行う
花が終わって実ができる前に、咲き終わった花をこまめに摘み取る「花がら摘み」を徹底しましょう。これが、種子ができるのを防ぐ一番効果的な方法です。
もし実の形を楽しみたい場合は、実が熟して種子がこぼれる前に収穫し、ドライフラワーにするなどして再利用しましょう。
3. 適度に間引きを行う
もしこぼれ種でたくさん発芽してしまった場合は、株と株の間隔が狭すぎると生育が悪くなるため、適度に間引きを行いましょう。これによって、残った株が健康に育ち、美しい花を咲かせることができます。不要な芽は早めに摘み取ることで、増えすぎを防ぎます。
4. 地植えの場合はエリアを限定する
どうしても地植えにしたい場合は、花壇の隅や特定のエリアなど、増えても困らない場所に限定して植えるようにしましょう。また、花壇と通路の間に仕切りを設けるなどの対策も有効です。
ニゲラの花言葉:「未来」「ひそかな喜び」など
ニゲラの花言葉は、その可憐な見た目や特徴から、いくつか素敵な意味がつけられています。
- 「未来」: 種子がたくさん取れ、来年もまた芽吹く生命力の強さから。
- 「ひそかな喜び」: 花が葉に隠れるように咲く様子から。
- 「夢で会いましょう」: 夜に花が閉じる様子から。
- 「困惑」: 英名が「Love-in-a-mist」(霧の中の恋人)であることから、感情が霧のように曖昧な様子を表すことも。
ニゲラの持つ神秘的な雰囲気や、静かに咲く姿が、これらの花言葉に込められているのですね。
姫ウツギを庭に植えるのは縁起が悪い?風水と庭木としての魅力・注意点を解説!
まとめ:ニゲラを上手にコントロールして楽しもう!
ニゲラが「植えてはいけない」と言われるのは、その驚異的な「こぼれ種」による繁殖力に起因しています。決して法律で禁止されている植物ではありません。
鉢植えで管理したり、花がら摘みをこまめに行ったりすることで、増えすぎを気にすることなく、ニゲラの繊細な美しさを存分に楽しむことができます。
今年のガーデニングに、可憐なニゲラを加えてみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの庭を優しく彩ってくれるはずです。