🛠️「あれ?かからない…」草刈り機のエンジンがかからない!よくある原因と自分でできる完全対処法
「よし、草刈りをするぞ!」と意気込んで、久しぶりに草刈り機のエンジンをかけようとしたら…「ブルル…」と一瞬音がするだけで、エンジンがかからない!
そんな経験、草刈り機を使う人なら一度は経験があるのではないでしょうか。特に農作業や庭の手入れが忙しい時期にエンジンがかからないと、作業がストップしてしまい、焦ってしまいますよね。
草刈り機のエンジンがかからないとき、その原因は実は意外と単純なものが多いのです。高価な修理に出す前に、まずは自分でチェックできるポイントをしっかり把握しておけば、無駄な出費や時間をかけずに、すぐに草刈りを再開できるかもしれません。
この記事では、草刈り機のエンジンがかからないときに考えられる、燃料、点火、圧縮の3つの視点から、よくある原因とその具体的な対処法を、分かりやすく解説します。
🔥エンジン始動の3大要素をチェック!
草刈り機のエンジンを動かすためには、「良い混合気(燃料)」「良い火花(点火)」「良い圧縮」という3つの要素が揃っている必要があります。このうちどれか一つでも欠けていると、エンジンは決してかかりません。
まずはこの3つの要素から、エンジンがかからない原因を絞り込んでいきましょう。
⛽原因その1:燃料(混合気)のトラブルと解決策
エンジンがかからないときの原因として最も多いのが、燃料に関するトラブルです。草刈り機の燃料は、混合ガソリンを使用するため、特に注意が必要です。
1. 古いガソリン(混合燃料)が残っている
原因:草刈り機を長期間使用せず放置すると、タンクやキャブレター内に残った混合ガソリンのオイル成分が分離したり、ガソリンが変質したりします。変質した燃料は、エンジン内で適切に燃焼せず、始動不良を招きます。
対処法:キャブレターに残った古い混合燃料を抜き取り、新しい混合ガソリンに入れ替えてみましょう。特に、半年以上放置した燃料は使用しないのが鉄則です。
2. 燃料フィルターの目詰まり
原因:燃料タンク内のゴミや劣化したオイル成分が、燃料フィルターに詰まり、キャブレターへ燃料が十分に供給されなくなっている。
対処法:燃料タンクを開け、ホースの先端にあるフィルターを確認します。汚れがひどい場合は、新しい燃料フィルターに交換してください。
3. キャブレターの調整不良・詰まり
原因:燃料をエンジンに送り込むキャブレターの調整ネジ(L/H/T)が狂っていたり、内部の小さな通路が燃料のタールなどで詰まっていたりする。
対処法:キャブレターの調整は専門知識が必要ですが、詰まりの原因となる場合は、キャブレタークリーナーを使って清掃してみるのも一つの手段です。ただし、自信がない場合は修理店に依頼することをおすすめします。
✨原因その2:点火(火花)のトラブルと解決策
燃料が問題なくても、点火プラグが火花を散らさなければエンジンは動きません。点火系統のトラブルは、湿気や経年劣化で発生しやすい原因です。
1. 点火プラグの「かぶり」や汚れ
原因:エンジンを何度もかけようとして失敗すると、プラグの先端が燃料で濡れてしまい(かぶり)、火花が飛ばなくなります。また、使用時間が長いと、先端にカーボンが溜まり、点火が悪くなります。
対処法:プラグレンチで点火プラグを外し、先端を乾いた布で拭くか、ワイヤーブラシなどでカーボンを取り除きましょう。ひどく汚れている場合や、先端が摩耗している場合は、新しいプラグに交換することが最も確実です。
2. スイッチや配線の接触不良
原因:エンジンのキルスイッチ(停止スイッチ)がオン(停止)の位置になっていたり、スパークプラグキャップ(プラグコード)の差し込みが緩んでいたりする。
対処法:キルスイッチが「運転」の位置になっているか確認し、プラグキャップを「カチッ」というまでしっかりとプラグに差し込み直しましょう。配線が外れていないかもチェックしてください。
3. イグニッションコイル(点火コイル)の故障
原因:点火プラグに高い電圧を供給するイグニッションコイルが故障すると、火花が飛ばなくなります。これは経年劣化で起こりやすいトラブルです。
対処法:プラグを交換しても火花が飛ばない場合は、イグニッションコイルの故障が疑われます。この部品は修理店での交換が必要です。
💨原因その3:圧縮のトラブルと解決策
燃料と点火が問題なくても、エンジン内部で混合気を適切に圧縮できなければ、爆発(燃焼)は起こりません。圧縮漏れは、エンジンにとって深刻なトラブルです。
1. スターターロープが軽すぎる
原因:スターターロープを引いたときに、普段よりも「スカスカ」と軽く感じられる場合、ピストンやシリンダーの摩耗、またはガスケットの破損などにより、圧縮が漏れている可能性があります。
対処法:圧縮漏れは、エンジンの寿命に関わる重大な故障です。ピストンリングやシリンダーの交換が必要になることが多く、専門の修理が必須となります。
2. リコイルスターター(ひも)の破損
原因:エンジン内部の圧縮自体は問題ないが、ロープを引き出すリコイルスターターの内部部品(爪やスプリング)が破損し、エンジンのクランクシャフトを回せない。
対処法:リコイルスターター全体または内部部品の交換が必要です。部品自体は比較的安価なことが多いですが、交換作業には工具と知識が必要です。
💡エンジンがかからない時の具体的な始動手順のおさらい
最後に、トラブルを避けるための正しいエンジン始動手順を再確認しましょう。これが間違っているために、エンジンがかからないと勘違いしているケースもあります。
燃料を確認し、新しい混合ガソリンが入っていることを確認。
チョークレバーを「閉」(始動・スタート)の位置にする。
プライマリーポンプを、燃料が完全に満たされて気泡がなくなるまで数回押す。
スターターロープをゆっくりと引き、抵抗を感じたところで一気に強く引く。
エンジンが「ブルル」と一瞬かかったら、すぐにチョークレバーを「開」(運転)の位置に戻す。
再度ロープを引き、エンジンを完全に始動させる。
⚠️注意点:チョークを入れたままエンジンがかからないのに何度もロープを引くと、プラグが燃料で濡れて(かぶって)しまい、さらにかかりにくくなります。
✅まとめ:冷静な判断が草刈り機を蘇らせる鍵
草刈り機のエンジンがかからないときは、焦らず、燃料、点火、圧縮の3つの原因に分けてチェックしていきましょう。
燃料の原因なら、古いガソリンの交換やフィルターの清掃。
点火の原因なら、点火プラグの清掃または交換。
圧縮の原因なら、専門家への修理依頼。
自分でできる対処法を試すだけでも、トラブルの大半は解決できます。適切なメンテナンスと正しい始動手順で、あなたの草刈り機を快適に動かし続けましょう!