警告の次は「禁止命令」へ。ストーカー規制法の流れと、違反した相手への罰則を徹底解説
「警察に相談して『警告』を出してもらったけれど、もし相手が止まらなかったらどうしよう……」
「ストーカー規制法って、具体的にどんなふうに自分を守ってくれるの?」
ストーカー被害に悩む方にとって、警察が介入した後の「その先」の手続きを知っておくことは、自分自身の安全を確保するために極めて重要です。警察からの「警告」は、あくまで加害者に対する最初のステップに過ぎません。それでも執拗につきまといが続く場合、法はさらに強力な**「禁止命令」**という武器を用意しています。
この記事では、ストーカー規制法に基づく行政処分の流れから、禁止命令の出し方、そして命令に違反した加害者に下される厳しい罰則までを詳しく解説します。
1. ストーカー規制法による「行政処分」の3ステップ
警察が介入すると、被害の深刻度や緊急性に応じて、段階的に手続きが進んでいきます。
ステップ①:警告(けいこく)
被害者の申し出により、警察署長などが加害者に対して「ストーカー行為をやめなさい」と口頭や書面で注意を与えます。
効果: 多くの加害者は、警察が介入した事実を知ることで「これ以上やるとマズい」と判断し、行為を断念します。
ステップ②:禁止命令等(きんしめいれいとう)
警告に従わなかった場合や、警告を待っていられないほど危険な場合、各都道府県の公安委員会が「つきまとい等をさらに繰り返してはならない」という公的な命令を出します。
特徴: 警告よりも格段に重い「行政処分」であり、これに背くことは即、刑事罰の対象となります。
ステップ③:緊急禁止命令(きんきゅうきんしめいれい)
被害者の身に差し迫った危険がある場合、事前の聴聞(加害者の言い分を聞く手続き)を省いて、即座に禁止命令を出すことが可能です。
スピード感: 命の危険があるような緊迫した状況では、この迅速な対応が被害者を守る最後の砦となります。
2. 「禁止命令」が出されると何が変わる?
禁止命令は、加害者の自由を法的に強く制限するものです。単なる「注意」とは重みが全く違います。
具体的指示: 「被害者の自宅半径〇メートル以内に近づくな」「一切のメールやSNS送信を禁ずる」といった具体的な行動制限が課されます。
有効期限: 原則として1年間ですが、被害が継続している場合は更新することも可能です。
証拠の重み: 禁止命令が出ている状態で相手が接触してきた場合、被害者が「怖い」と感じるかどうかに関わらず、機械的に「違反」として処理されます。
3. 違反した相手への「厳しい罰則」の内容
ストーカー規制法は年々厳罰化されています。特に禁止命令に違反した場合のペナルティは非常に重く設定されています。
| 違反内容 | 罰則(刑事罰) |
| ストーカー行為罪(反復してつきまとう) | 1年以下の懲役 または 100万円以下の罰金 |
| 禁止命令等違反罪(命令を無視してつきまとう) | 2年以下の懲役 または 200万円以下の罰金 |
| 禁止命令そのものへの違反(接触はなくても命令を無視) | 6ヶ月以下の懲役 または 50万円以下の罰金 |
【ポイント】 禁止命令に違反してつきまといを行った場合、警察は「逮捕」に踏み切る可能性が非常に高くなります。起訴されれば前科がつくことになり、加害者の社会的な信用は失墜します。
4. 警察に「禁止命令」を出してもらうためのポイント
警察が禁止命令を出すためには、加害者が「警告を無視した」という事実や「今後も繰り返す恐れがある」という客観的な判断材料が必要です。
違反の証拠を即座に提出: 警告後、一度でも連絡が来たり姿を見かけたりしたら、すぐに警察へ連絡してください。その際の着信履歴や写真は、禁止命令を出すための不可欠な証拠になります。
「不安」ではなく「危険」を伝える: 「怖くて夜も眠れない」「仕事に行けない」といった実生活への支障を具体的に伝えることで、警察は事態の緊急性を認識します。
5. まとめ:法の力を最大限に活用して身を守る
ストーカー規制法は、あなたを守るために作られた法律です。警察からの警告で相手が止まらないからといって、絶望する必要はありません。
「警告」で止まらなければ、すぐに「禁止命令」の手続きを警察に依頼する。
命令違反は「即逮捕・重罰」に直結することを理解し、証拠収集を継続する。
警察だけでなく、弁護士や支援団体と連携し、物理的な避難(引っ越しやシェルター利用)も視野に入れる。
加害者が法を軽視しているなら、国家権力による「強制力」を持って対処するしかありません。一人で耐え忍ぶのではなく、警察という公的機関を正しく動かし、二度と怯えなくて済む平穏な日常を勝ち取りましょう。
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