生理の出血量がいつもより少ない?考えられる原因と病院受診の目安
「あれ?今月の生理、いつもより量が少ない気がする…」。そう感じると、もしかして何かの病気?と不安になりますよね。生理の出血量は、体調や環境の変化によっても変わることがありますが、中には注意が必要なサインである場合もあります。
この記事では、生理の出血量が急に少なくなる主な原因を解説し、どんな時に病院を受診した方が良いのか、その目安についてもご紹介します。あなたの不安を少しでも解消し、適切な対応ができるよう、一緒に確認していきましょう。
生理の出血量が少ないと感じる、主な原因は?
生理の出血量が少ない状態を「過少月経(かしょうげっけい)」と呼びます。これには様々な原因が考えられます。
1. ホルモンバランスの乱れ
これが最も一般的な原因です。ストレス、疲労、不規則な生活、無理なダイエット、睡眠不足などは、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)の分泌に影響を与えます。ホルモンバランスが乱れると、子宮内膜が十分に厚くならず、結果として出血量が少なくなることがあります。
2. 無排卵月経
排卵が起こらないまま生理のような出血が起こることを「無排卵月経」と言います。この場合、ホルモンバランスが正常ではないため、子宮内膜が十分に成熟せず、出血量が少ない傾向にあります。無排卵月経が続くと、不妊の原因になる可能性もあります。
3. ストレスや疲労
心身にかかる強いストレスや慢性的な疲労は、ホルモンバランスの中枢である脳の視床下部に影響を与え、生理周期や出血量に変化をもたらすことがあります。
4. 更年期の始まり(プレ更年期)
30代後半から40代にかけて、卵巣機能が徐々に低下し始めると、ホルモン分泌が不安定になります。これがいわゆる「プレ更年期」で、生理周期の乱れや出血量の変化(多くなったり少なくなったり)として現れることがあります。
5. 子宮や卵巣の病気
頻度は高くありませんが、子宮や卵巣の病気が原因で出血量が少なくなることもあります。
子宮内膜が薄くなる病気: 例えば、子宮内膜炎など、子宮内膜に何らかの問題がある場合。
子宮内の癒着: 過去の手術(帝王切開や流産手術など)や炎症が原因で子宮の内側がくっついてしまい、生理の出血がスムーズに出にくくなることがあります。
6. 体重の急激な変化
極端なダイエットによる急激な体重減少や、逆に急激な体重増加も、ホルモンバランスを乱し、生理の出血量に影響を与えることがあります。
7. 服用している薬の影響
ピル(経口避妊薬)を服用している場合、意図的に子宮内膜を薄くして出血量を減らす作用があるため、生理の出血が少なくなるのは正常な反応です。また、その他の薬が影響することもあります。
こんな時は要注意!病院受診の目安
生理の出血量が少ないと感じた時に、どのような状況であれば病院を受診した方が良いのでしょうか。
1. 妊娠の可能性が考えられる場合
生理の出血量が極端に少ない、またはいつもと異なる性状の出血があった場合、着床出血など妊娠の初期症状である可能性も考えられます。心当たりがある場合は、まずは市販の妊娠検査薬を試してみるか、早めに婦人科を受診しましょう。
2. 過少月経が2〜3周期以上続く場合
一時的なものではなく、何ヶ月も継続して出血量が少ない状態が続く場合は、ホルモンバランスの乱れが定着している、あるいは何らかの疾患が隠れている可能性も考えられます。
3. 出血量以外の症状も伴う場合
生理周期が大幅に乱れている(周期が長すぎる、短すぎる、不規則など)
生理痛がいつもと違う、またはひどくなった
不正出血(生理期間ではないのに出血がある)がある
体調が優れない(だるい、めまい、疲れやすいなど)
基礎体温を測っていて、排卵がなさそうなパターンが続いている
これらの症状が併発している場合は、自己判断せずに婦人科を受診することをおすすめします。
4. 将来的に妊娠を希望している場合
過少月経や無排卵月経は、将来の妊娠に影響する可能性があります。特に妊娠を希望している場合は、早めに専門医に相談し、適切な検査や治療を受けることが重要です。
病院での診察では何をするの?
婦人科を受診すると、通常は以下のような診察が行われます。
問診: 生理の周期、出血量、期間、生理痛の有無、既往歴、現在の体調、生活習慣など、詳しく聞かれます。
内診: 子宮や卵巣の状態を目視や触診で確認します。
超音波検査(エコー): 子宮や卵巣に異常がないか、子宮内膜の厚さなどを確認します。
ホルモン検査(採血): ホルモンバランスの状態を詳しく調べるために血液検査を行うことがあります。
これらの検査を通して、出血量が少ない原因を探り、必要に応じて治療方針が立てられます。
まとめ:体のサインを見逃さずに、早めの相談を!
生理の出血量が少ないと感じた時は、まずはご自身の体調や生活習慣を振り返ってみましょう。一時的なものであれば心配ないことも多いですが、それが続く場合や、他の気になる症状がある場合は、我慢せずに婦人科を受診することをおすすめします。
生理は女性の健康のバロメーターです。体の小さなサインも見逃さずに、専門家のアドバイスを求めることで、安心して毎日を過ごすことができますよ。