お部屋探し、契約書って難しい? 国土交通省の『標準契約書』を知っておこう!


新しいお部屋を見つけて「ここに住みたい!」と思ったら、いよいよ【賃貸契約】を結ぶ段階です。でも、分厚い契約書を前にすると、「なんだか難しそう…」「よく分からないけど大丈夫かな?」と不安になる方もいるかもしれません。

実は、賃貸契約には、国(国土交通省)が「トラブルになりにくいように、こんな内容で契約すると良いですよ」と推奨している【標準契約書】というモデル(ひな形)があります。

この記事では、この『賃貸住宅標準契約書』がどんなもので、なぜ知っておくと安心なのか、そして契約書でチェックしておきたい主なポイントを、分かりやすく解説します。これからお部屋を借りる方も、すでに借りている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

『標準契約書』ってどんなもの? なぜあるの?

『賃貸住宅標準契約書』は、賃貸住宅の「貸主(大家さんや管理会社)」と「借主(入居者)」の間で、公平で分かりやすい契約ができるように、国土交通省が作成・公開している契約書のモデル(ひな形)です。

ポイント:

  • 使うのは任意: 法律で「必ずこれを使わないといけない」と決まっているわけではありません。
  • トラブル予防: トラブルになりやすい項目について、一般的なルールや考え方を示すことで、貸主と借主の双方が安心して契約できるように作られています。
  • 多くの契約の参考に: 不動産会社などが作成する実際の賃貸契約書も、この標準契約書の内容を参考にしていることが多いです。

つまり、標準契約書を知っておくことは、これからあなたがサインする契約書にどんなことが書いてあるかを知るための、良い予習になるんです!

実際の契約書でチェックしておきたい主なポイント

国土交通省の標準契約書や、それを参考に作られた契約書には、安心して暮らすために大切な項目がたくさん書かれています。全てを理解するのは大変でも、特にここだけは確認しておきたい!という主なポイントをご紹介します。

① 契約の基本(ココが一番大事!)

  • 契約する人: 貸主(大家さんや管理会社)、借主(あなたの名前)、連帯保証人(もし必要な場合、誰の名前か)がきちんと書かれているか。
  • 借りる物件: 物件の住所、部屋番号、建物の名前、構造(木造、鉄骨など)に間違いはないか。
  • 契約期間: いつからいつまで借りられるのか。契約を更新したい場合はどうなるのか。(自動更新なのか、手続きが必要なのかなど)

② お金のキホン

  • 家賃と共益費: 月々の家賃はいくら? 共益費(管理費)はかかる? 合計金額を確認しましょう。
  • 支払い方法と期日: 家賃はいつまでに、どうやって支払うのか?(銀行振込? 口座引き落とし?)
  • 敷金(しききん)と礼金(れいきん):
    • 敷金: 退去時の原状回復費用や滞納家賃などに充てられる預け金。何も問題がなければ、退去時に返還されます。(どういう場合に、いくら返還されるかのルールを確認)
    • 礼金: 大家さんに支払う「お礼金」。こちらは返還されません。

③ 住む上でのルール

  • 物件の使い方: ペットは飼える? 楽器は演奏できる? (特に気になる点は必ず確認!)
  • 禁止事項: どんなことが禁止されているか? (無断での増改築、又貸しなど)
  • 修繕の区分: 部屋の中の設備が故障した場合、どこまでが貸主の負担で、どこからが借主の負担になるのか? (例:エアコンが壊れたら? 水漏れしたら?)

④ 退去する時のこと(意外とトラブルになりやすい!)

  • 退去予告期間: 引っ越しを決めたら、何か月前までに貸主に連絡する必要があるか? (一般的には1ヶ月~2ヶ月前が多いです)
  • 原状回復(げんじょうかいふく): お部屋を退去する際に、「借りた時の状態に戻す」こと。ただし、普通に生活していてできる傷や汚れ(経年劣化や通常損耗といいます)は、借主が費用を負担する必要はないとされています。標準契約書やガイドラインでは、この「どこまでが借主負担になるか」について考え方が示されています。(例えば、タバコのヤニ汚れや、不注意でつけた大きな傷などは借主負担になることが多いです)
  • 退去時の立ち会い: 退去時に貸主や管理会社と一緒に部屋の状態を確認する日があるか?

⑤ 定期借家契約って?

一般的な賃貸契約は、期間が来ても手続きすれば更新されることが多いですが、【定期借家契約】は、契約期間が終われば【更新がなく、契約が終了する】という契約です。もし「定期借家契約」と書かれていたら、この点をしっかり理解しておきましょう。

なぜ契約書を「読む」ことが大切なの?

「難しそうだから、サインしちゃえ!」ではなく、契約書をしっかり読むことは、後々のトラブルを防ぐために本当に大切です。

  • 自分の権利と義務を知る: 何ができて、何をしてはいけないのか、自分が何を支払う義務があるのかを正確に把握できます。
  • 予期せぬ出費を防ぐ: 退去時の費用など、事前に知っておけば心構えができます。
  • 貸主との信頼関係: 契約内容を理解しようとすることは、貸主との信頼関係を築く第一歩にもなります。

もし分からないことがあれば、遠慮せずに不動産会社の担当者や貸主さんに質問しましょう! 契約書は、貸主と借主の大切な約束事を書いたものですから、お互いが納得することが大切です。

まとめ:契約書を理解して、安心の新生活を!

賃貸契約書は、新しい生活を安心して送るための「お守り」のようなものです。国土交通省の『標準契約書』は、その良いお手本となります。

全ての項目を隅々まで理解するのは大変かもしれませんが、この記事でご紹介したような主なポイントだけでもチェックしておくことで、契約に対する不安が減り、安心して新しいお部屋での生活をスタートできるはずです。

これからのお部屋探しが、素敵な契約、そして楽しい新生活に繋がることを願っています!